「君と彼とネコのうた」 前田和亮

「私結婚することになったの」って 唐突に君が言うもんだからさ
「おめでとう」って伝えた僕はどんな顔してたかなぁ

何年ぶりなんだろうね お互い全然変わってないのかもね
身振り手振りの大きな君と 静かに頷く僕

サヨナラ切り出したあの日 君は泣くの我慢してたっけな
君が飼ってた猫は 最後まで僕になつかなかったな

僕の幸せなんて君は 全然願ってないだろうけど
君が誰かと幸せになること 願ってたのは本当だよ

君がどんな人を好きになったのか 全然気にならないわけじゃない
ほんとに君を幸せにできるのか 本音を聞いてみたい
だけどそんなこと言えるはずがない 根掘り葉掘り聞く資格なんてない
君を悲しませたのは まぎれもない僕だから

必死に話題変えようとして 君の猫の話をしてみたけど
彼と一緒に新しい街に連れていくんだってさ

あんなに小さかったのにさ 苦労してミルクも飲ませたのにさ
彼にも懐いてることを知って 胸がまた痛んだのさ

君の幸せなんて僕は 実は願ってなかったのかな
僕の知らない君になってくのが ほんの少し 嫌だったのかな

君がどんな人を好きになったのか 全然気にならないわけじゃない
ほんとに君を幸せにできるのか 本音を聞いてみたい
だけどそんなこと言えるはずがない 根掘り葉掘り聞く資格なんてない
君を悲しませたのは まぎれもない僕だから

だけどひとつだけわからないんだ 君の心の奥の気持ちが
今頃になって 少し綺麗になって 僕の目の前に現れたのか

君がどんな人を好きになったのか 全然気にならないわけじゃない
ドラマみたいに君のこと 奪ってしまう展開もあるのかな
だけどそんなことできるはずがない 君の心にいる人は僕じゃない
君を悲しませたのは まぎれもない僕だから
まぎれもない僕だから

「私結婚することになったの」って 唐突に君が言うもんだからさ
「おめでとう」って伝えた僕はどんな顔してたかなぁ

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