キンモクセイ

「キンモクセイ」 前田和亮

キンモクセイの香る別れ際の交差点
夜が明けるまで話したあの頃を懐かしんでも

今同じ場所にいる2人はうつむいたまま
走る車の音だけが2人の間響いてる

君が抱いてる不安もとっくに僕は気付いてるんだ
僕を遮るように赤から青に変わる信号

このままずっとずっと 君を離したくないんだ
近づくさよならに気付いても
それでもぎゅっとぎゅっと その小さな手握り締めて
君のために何ができる?

君との思い出よぎる 切なく香るキンモクセイ
急に歩き出した君は たぶん泣いてるような気がした

君は僕が追いかけてくるのをきっと待ってる
僕を試してるかのように青から赤に変わり始める信号

このままずっとずっと 君の後ろ姿 見ている僕のままなら
この先きっときっと 互いの心交わることないとわかったから

今ならきっときっと まだ間に合うはずさ
もう一度君に触れたい
君の手にそっとそっと 手を伸ばす僕がつかむのは
どんな2人の未来だろう?